2014.07.14

レ・マシーン・ドゥ・リル


LES MACHINES DE L’ILE
フランスに行くなら絶対に訪れたかった場所のひとつ。生き物をモチーフにした機械仕掛けのアトラクションを持つテーマパークです。実際に乗れるものは少ないので日本で言う遊園地とはイメージが違うかもしれません。

ナント駅へはパリ・モンパルナス駅からTGVで2時間弱。のはずがなぜか時間になってもナントに着きません…。TGVの車内アナウンスはフランス語のみで事情はさっぱり分らず、不安を抱えながら1時間ほど待つとようやく到着。ナント駅の北口から出ると、すぐ目の前にトラムが走っているのが分かります。道も見通しが良いのでトラムの乗り場も一目瞭然。乗り場の自販機で切符(1枚1.5ユーロ)を買い、トラムに乗り込んだら自分で刻印機に入れます。ちなみに刻印してから1時間は乗り放題。

ナント駅から5駅目のChantiers Navalsで下車し、大きな川の向こうに見える建物を目指して歩きます。私たちの訪れた日は異様な混雑ぶりで、トラムは満員、川の土手や橋の上にも人がわんさか集まっていました。祭り?花火?などと思いつつも手がかりもないのでするりと通り過ぎ、いざ目的地へ。

敷地の周りには柵も境界もなく、ふらふらと建物に近づいていくと小さなカルーゼル(メリーゴーラウンド)が現れます。ひとつひとつの座席(?)はラ・マシーンワールド全開で魅力的でしたが子供用ということで全体はややシンプルな仕上がり。その奥にある、かつて造船所だったという大きな建物にアトリエやギャラリーがあります。そしてあの有名な!?象もいました。乗るには8ユーロかかりますが、外から見る分には無料なのです。象が出発するまで少し時間があったので、まずはギャラリーを見学。象の左横をすり抜けたところにあるチケット売り場で入場料8ユーロを支払い、そのすぐ奥がギャラリーです。

ギャラリーにはいくつかマシーンが展示されていて、時々デモンストレーションが行われます。現在進行中の巨大な散歩道のプロジェクトの巨木のオブジェのミニチュアと、コウノトリ(?)のプロトタイプがメインになっていました。デモンストレーションはもちろんフランス語なので時々笑いが起こったりするのに付いていけませんが、プロジェクトの説明をしているようでした。しばしばマシーンにお客さんを乗せて動かす事も。ただ下がるだけとか、ただ上がるだけとか、案外地味な動きしかしませんが夢があるので良しとします。一番目をひくコウノトリはふたつのカゴを抱えていて、この部分に夫々お客さんを乗せます。お客さんはカゴの後ろに付いた尾ひれの部分を動かします。鳥の上に乗った二人のスタッフが頭や大きな翼を操縦したり歌ったりして盛り上げます。部屋の端からスタートし、直進して端まで行ったらくるっと振り返って戻ってきます。これも案外地味ですが、何か楽しい。そんな感じです。その他には芋虫のマシーンが特に精巧で、左右のレバーを交互に引くことで尺取虫の様に伸びたり縮んだりして前進していきます。運転の動作とマシーンの動きが合っていて面白かったです。バックもできるんですよ。

しばしギャラリーを楽しんだ後は、向かい側のアトリエへ。アトリエは実際に製作が行われている所を高所から眺められるようになっています。この時は龍のようなものと、中国風の建造物らしきものを作っていました。いつどんな風にお披露目されるのか楽しみですね。その後、アトリエの3階の通路からもう一度至近距離で象を見物。皮膚のしわやまつげ等細部にまで趣向が凝らされ、オリジナリティがあって本当に感心しきりです。

それからアトリエ正面の巨木の上で出発を見守りました。象にたくさんのお客さんが乗り込み、いよいよ出発。歩き始めて早々、鼻から勢いよく水を噴射!湧き上がる悲鳴と歓声。とても暑かったこの日は象も遠慮なく見物人に水を浴びせます。子供たちは自ら浴びに行ってびしょぬれになるのを楽しんでいました。実際はタイヤで進んでいますが、足もリアルに動きます。巨大な象と小さな人々の楽しげな光景はまさにファンタジーの世界が現実になったかの様でした。

しばらく象を見守った後、「海のカルーゼル」へ。ジュール・ベルヌの海底2万マイルをモチーフにしたアトラクションです。こちらも8ユーロですが、ギャラリーのチケットを持っていれば1.5ユーロ引きで乗れます。カルーゼルは3階建て。1層目は蟹や潜水艇。2層目は主に魚。最上階はドラゴンや馬+人魚など。どれでも好きなものに乗れます。迷いに迷って2層目の魚に乗ることにしました。列に並んで待っていると外から大音量の生演奏が聞こえてきました。気になりますが列に並んでしまっているのでまずは乗ることに。私たちの魚は3人乗り。おばあちゃんと2人で来ていた少年と一緒に乗り込み、それぞれの担当のハンドルなどでヒレや口を動かしながら、カルーゼルを楽しみました。結構長いので操作には飽きてきますが、周りで見ている人のためにがんばります(笑)

魚から降り、外を眺めるとまだ象は歩いていました。しかし周りの人々の目線はそっちじゃない…。ふと川のほうに目をやると、巨人がベッドに寝たまま川を流れているではありませんか!なんとこの日はロワイヤル・ドゥ・リュクスのパフォーマンスが行われていたのです。しかも3年ぶりに。だからあんなに人が集まっていたのかとようやく納得。そして気付いた頃にはもうおしまいなのでした…。暢気にカルーゼルに乗っていたことに激しく後悔…。でもこんなにもタイミングよくナントに来たのは何たる偶然!壮大なパフォーマンスの空気感だけは感じられたと心を静めました。いつかはきっと生で見るぞと心に誓いつつ。(気になる方は「ロワイヤルドリュクス2014」などで検索してみてくださいね。レポートを見ているだけでもワクワクしますよ。)

ホテルに帰る途中にパフォーマンスに使われたであろう巨大な車椅子と巨大なシンバルを発見。道端には紙ふぶきも散らばっていました。あー…やっぱり見たかった(笑) その後はナント市内を観光しました。そのお話はまた後日。

レ・マシーン・ドゥ・リル  →http://www.lesmachines-nantes.fr/
ロワイヤル・ドゥ・リュクス →http://www.royal-de-luxe.com/en/